フッ素イオン導入器

一柳歯科医院ではムシ歯予防のために、フッ素イオン導入器「パイオキュアー」を導入しました。

ムシ歯になる原因と対策

学校健診などで、C0(シーオー)と呼ばれるムシ歯の状態があります。これはエナメル質の極表面だけがムシ歯になり、白く濁って見える状態の歯のことです。
ムシ歯になる原因は３つあります

1.ムシ歯菌の量

歯磨きが上手にできていないと、食べかすなどをエサにして虫歯菌が増えてきます。

2.食生活

甘いものを、ダラダラ食べるとお口の中が酸性になり、エナメル質が溶けてきます。

3.歯を守る力

唾液の量が少なく、エナメル質の耐酸性能力が低いとムシ歯になりやすい。

小さなお子さんの歯はまだ弱く酸に融けやすいため歯を守る力が弱く、ムシ歯になりやすいのです。

そこで、フッ素を作用させてやることで硬く丈夫なエナメル質を作り、ムシ歯になりにくいように歯質を改善させるのです。きれいに歯を磨き、フッ素塗布により歯質を強化すると白濁していたエナメル質もきれいな透明色に戻ってきます。当地区では、全保育園で、年長さんになるとほぼ毎日フッ素洗口を行い強い歯を作るようにしています。しかし、残念ながら小学校では実施されておらず、学年が上がるにつれてC0やC1などのムシ歯が見受けられるようになります。
そこで、その対策としてフッ化物配合歯磨きを使用するよう指導したり、年２回歯科医師会の事業としてフッ素塗布を行ったりしています。
しかし、フッ素はなかなかエナメル質に取り込まれにくいので上記の対策だけでは充分ではありません。
そこで　当院ではより効率よく歯質を強化することができるフッ素イオン導入器を使用することにしました。
フッ素イオン導入器を使用すると、一般的な洗口法やフッ素歯磨き剤より効果的にフッ素を取り込むことができます。
今回の保険改正でその役割の重要性が認められ、保険診療でも使用できるようになりました。
子供さんだけでなく大人の方にもおすすめできるムシ歯予防法です。

イオン導入法

フッ素は歯質に取り込まれると、耐酸性のあるフッ化リン酸カルシウム（フルオロアパタイト）を形成します。パイオキュアーを使用してフッ素をイオン化させることにより、通常歯牙には取り込まれにくいフッ素を、効果的に導入することができます。イオン導入した方がフッ素が多く取り込まれ、その結果ムシ歯になりにくい歯質になるのです。

 

 

フッ化物の効果と安全性について

フッ化物の利用は適切な量と濃度で行うことが大切です。
当医院ではイオン導入法により３ヶ月～６ヵ月に一度の頻度で行っています。フッ化物によるムシ歯予防の効果と安全性は世界各国で行われてきた膨大な疫学調査と各地域での実証によって科学的に認められています。これを受けてWHO　国際歯科連盟（FDI）厚生労働省、日本歯科医師会日本口腔衛生学会など国内外の専門機関が積極的な利用を推奨しています。