小児歯科 歯の萌えかわりと早期矯正について

乳幼児の歯は大体3歳ぐらいで萌えそろいます。上下左右で合計20本になります。


これから順次大人の歯が萌えてくるわけですがその芽は写真のようにすでにあごの骨の中で作られ萌えてくる順番を待っています。その時にいろいろな悪習慣(指しゃぶり、長期のおしゃぶり使用、鼻づまり、口呼吸)などがあると、あごも正常な成長をすることが出来なくなります。

又、これは人の体の成長曲線ですが、5,6歳頃から急に跳ね上がるのがお分かりいただけると思います。

ここで上記のような悪習慣が出るとあごの成長が妨げられ、きれいな大人の歯並びを得る事がむずかしくなります。定期的な観察だけでこれらの悪習癖を発見、矯正治療に至らずにすむ場合も多いです。大人の歯は親不知を数えなければ28本と子供の歯より8本も多いのですが乳歯とそれぞれ大きさに違いがありその違いを利用してきれいに萌えそろってくるような機能、悪習慣を改善するような機能、この2つの機能をもって最近開発されてきたのがT4Kとかの筋機能利用矯正装置です。
またコンセプトは少し違いますが、プラスチックのスプリントを萌えかわりに従って次々に変えていくシステムとしてインビザライン、クリアライナー、キッズシステムなどがあります。
これらを早期に利用することで本格矯正を回避する事ができるようになってくるのです。

資料提供  たなせこどもデンタルクリニック 棚瀬清三先生

T4K(口腔筋機能トレーナー)について

・混合歯列期における不正咬合の早期治療用装置です。
・主に叢生(乱杭歯)や上顎前突(俗にいう「出っ歯」)気味のお子様に装着していただきます。
・大人の歯と子供の歯の萌えかわり時期に理想的な位置に大人の歯が並んでくるよう誘導する機能    
舌癖、口呼吸、おとがい筋過多などの有害な悪習癖を改善する機能を持たせた装置です。

・対象年齢としては6歳臼歯が萌出してきてから12歳臼歯が萌えてくるぐらいまでのお子様です。
・一日のうち起きている時に1~2時間、寝ている時にはずーっと装着していていただきたい器具です。
・期間としては個人差がありますが大体8~12か月使用していただきます。
・軟性シリコンゴムでできているので痛いことは殆どありません。
(最初は苦しく長時間ははめにくいかもしれませんが1か月ぐらいで皆さん慣れていただけます。)
・逆に軟らかすぎて次のステップとしてもう少し硬い材質でできているT4Aとかi-2とかというものに変えていただく場合もあります。
・反対咬合(いわゆる受け口)のお子様にはi-3,ムーシールドなどを利用していただいています。